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意外と知らない?「ファミリーバイク特約」の上手な活用法と注意点

通勤や通学、ちょっとしたお出かけに便利な125cc以下のバイク(原付)。手軽な移動手段として購入を検討する際、多くの人が頭を悩ませるのが「任意保険」の問題です。「バイク保険ってなんだか高そう…」「手続きが面倒なのでは?」そんな風に思っていませんか?

実は、自動車を所有している方なら、驚くほど手軽でお得に原付の事故に備える方法があります。それが、自動車保険の「ファミリーバイク特約」です。

この記事では、125cc以下のバイクを検討しているあなたに向けて、この「ファミリーバイク特約」を賢く活用するためのメリット、適用される詳しい範囲、そして契約前に必ず知っておきたい注意点まで、分かりやすく解説していきます。

そもそも「ファミリーバイク特約」とは?

ファミリーバイク特約は、単独で契約する保険商品ではなく、あなたが既に加入している自動車保険に「オプション」として追加する特約のことです 。そのため、この特約だけで加入することはできません
この特約を付帯させることで、125cc以下のバイクを運転中に起きた事故の損害を補償してもらえるようになります。

【重要】ファミリーバイク特約に加入するための「3つの条件」

この便利な特約ですが、誰でも利用できるわけではありません。加入するには、主に以下の3つの条件を満たす必要があります。

条件1:自動車保険に加入していること

ファミリーバイク特約は、あくまで自動車保険の「特約」です。そのため、主契約となる自動車保険に加入していることが大前提となります 。ご家族の誰も自動車保険に加入していない場合は、この特約を利用することはできません

条件2:補償の対象となる「バイク」であること

補償されるバイクには排気量などの規定があります。

  • 総排気量125cc以下の二輪車

  • 総排気量50cc以下の三輪以上の車両(屋根付きのミニカーなども含む)

  • 「特定小型原動機付自転車」に分類される電動キックボード

125ccを超える中型・大型バイクは対象外となるため注意が必要です

条件3:補償の対象となる「人」であること

補償される「人」の範囲が非常に広いのも、この特約の大きな特徴です。

  • 記名被保険者(自動車保険の主な運転者)

  • 記名被保険者の配偶者

  • 上記いずれかの同居の親族

  • 上記いずれかの別居している未婚の子ども

「未婚」とは法律上の婚姻歴がないことを指すため、離婚歴のある別居の子どもは対象外となる場合があるなど、細かい定義は保険会社にご確認ください 。

ファミリーバイク特約のすごい「メリット」

では、なぜファミリーバイク特約がこれほどおすすめされるのでしょうか。その理由は、個別のバイク保険にはない、数々の強力なメリットにあります。

メリット1:圧倒的な保険料の安さ

最大のメリットは、その保険料の安さです 。特に10代・20代の若い方が個別のバイク保険に加入すると、年間保険料が10万円を超えることも珍しくありません 。一方、ファミリーバイク特約であれば、その数分の一のコストで済むことがほとんどです 。

メリット2:保険を使っても等級が下がらない

万が一、バイク事故で保険を使っても、主契約である自動車保険の等級(ノンフリート等級)は下がりません 。これは「ノーカウント事故」として扱われるためで、翌年度の自動車保険料が上がる心配なく、安心して補償を受けられます

メリット3:補償範囲がとにかく広い(人・バイク)

一つの特約で、非常に広い範囲をカバーできる手軽さも魅力です。

  • :主契約の自動車保険に「35歳以上補償」などの年齢制限があっても、ファミリーバイク特約にはその制限が適用されません 。そのため、16歳の高校生のお子さんが運転する場合でも補償の対象となります。

  • バイク:ご家族が所有する対象バイクであれば、何台でもこの一つの特約で補償されます 。さらに、友人から一時的に借りたバイクを運転中の事故も補償の対象となる点は、非常に大きなメリットです 。

契約前に必ずチェック!知っておくべき「注意点」

多くのメリットがある一方で、契約前に必ず理解しておくべき注意点も存在します。

注意点1:自分のバイクの修理代は補償されない

最も重要な注意点です。ファミリーバイク特約には**「車両保険」の概念がありません**。事故で自分のバイクが壊れても、その修理費用は補償されないのです

注意点2:ロードサービスが利用できないケースが多い

出先でのパンクやガス欠といったトラブルの際に頼りになるロードサービスですが、多くの保険会社では、主契約の自動車保険に付帯していても、ファミリーバイク特約のバイクは対象外となります 。遠出をする機会が多い方は、別途JAFなどに加入することを検討する必要があります

注意点3:無事故でも保険料は安くならない

等級が下がらないメリットの裏返しとして、何年無事故を続けても保険料が安くなる**「等級割引」がありません** 。そのため、長期間バイクに乗り続ける場合は、等級割引が進んだ個別のバイク保険の方が、総支払額は安くなる可能性があります

注意点4:自動的には付帯されない

この特約は、自動車保険に自動で付いてくるものではありません 。加入を希望する場合は、契約時に自ら申し出る必要があります。  

注意点5:「自分のケガ」への補償は2種類から選ぶ必要がある

事故の相手方への賠償(対人・対物)は補償されますが、「運転者自身のケガ」への補償内容は、2つのタイプから選ぶ必要があります。この選択は非常に重要です。

比較項目 自損事故型(基本プラン) 人身傷害型(安心プラン)
自分のケガの補償範囲

限定的(単独事故や自分の過失100%の事故のみ) 

広範囲(相手に過失がある事故も含む)

保険金の支払われ方

定額払い(入院・通院日数に応じる)

実損払い(実際の損害額を補償)

加入の前提条件 特になし

主契約に「人身傷害保険」の付帯が必要な場合が多い 

より手厚い「人身傷害型」は、主契約の自動車保険に人身傷害保険が付いていることが加入の条件となる場合が多いため、ご自身の契約内容を一度確認してみましょう。

まとめ:あなたに合った保険を選ぼう

ファミリーバイク特約は、

  • 保険料を安く抑えたい

  • 高校生や大学生の子どもが短期間だけ乗る

  • 家族で複数台の原付を所有している

といった方には、非常にメリットの大きい選択肢です。

一方で、

  • 自分のバイクの修理代もカバーしたい(車両保険が欲しい)

  • ツーリングなど遠出が多く、ロードサービスが必須

  • 長期間バイクに乗り続ける予定がある

という方は、補償が手厚い個別のバイク保険を検討する方が良いでしょう。

ファミリーバイク特約は、その特性を正しく理解し、ご自身のライフスタイルに合わせて活用すれば、これ以上なく心強い味方になります。この記事を参考に、あなたにとって最適な保険選びをしてください。

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