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この夏、”バイキャン”デビュー!自由を積んで、冒険に出かけよう

 

朝、テントのジッパーを開けると、ひんやりと澄んだ空気が頬をなでる。隣には、夜露に濡れた愛車が静かに佇んでいる。淹れたてのコーヒーを片手に、鳥のさえずりを聞きながら今日のルートを考える。そんな、自由と冒険心に満ちた「バイクでキャンプ」、通称「バイキャン」に憧れを抱くライダーは多いのではないでしょうか。

しかし、その憧れと同時に、「キャンプ道具ってたくさんありそう…」「どうやって全部バイクに積むの?」という大きな壁が立ちはだかるのも事実です。その不安、よくわかります。でも、安心してください。この記事は、そんなあなたのための「バイキャン」完全攻略ガイドです。

積載の”技術”から、これさえあれば間違いない”必須ギア”まで、一つひとつ丁寧に解説していきます。この記事を読み終える頃には、あなたの不安は高揚感に変わり、初めてのバイクキャンプが最高の思い出になることをお約束します。さあ、この夏、憧れを現実に変える旅に出かけましょう!

本記事の内容をAIで音声概要を作成しています。※漢字の読み間違いがあります。

 

 

走りを変える「積載のキホン」 安全・快適ツーリングの心臓部

バイクキャンプの積載は、単なる「荷物を運ぶ作業」ではありません。それは、あなたのライディングの質、安全性、そして快適性を直接左右する「技術」です 。正しい積載の基本をマスターすることは、最高のキャンプツーリング体験への第一歩と言えるでしょう。

The Golden Rule: 「重いモノは低く、中心へ」の絶対法則

まず、絶対に覚えてほしい積載の黄金律があります。それは「重いモノはできるだけ低く、そしてバイクの中心へ」です 。バイクは二輪で自立する、非常に繊細なバランスの上に成り立っています。荷物の積み方ひとつで、その操縦性は劇的に変わってしまうのです

  • なぜ重要なのか? 重心が高くなると、カーブや低速走行時にバイクがふらつきやすくなり、非常に危険です 。逆に、重い荷物を低く、ライダーに近い中心部に寄せることで、バイクは安定し、ライダーの意のままに操りやすくなります 。これは「マスの集中化」と呼ばれる、レーシングマシンの設計にも通じる重要な考え方なのです 。不適切な積載は、ライダーの無意識の疲労を蓄積させ、事故のリスクを高めます 。安全で快適な旅のために、この法則は必ず守りましょう。

積載の4大エリアを使いこなす戦略的パッキング術

バイクの積載スペースは、大きく分けて4つのエリアに分類できます。それぞれの特性を理解し、戦略的にパッキングすることが快適なキャンプツーリングの鍵となります

  1. シートバッグ荷室: あなたの荷物の中心基地です。まず、テント、工具、調理器具、水、食料といった、重くて密度の高いアイテムを一番下に詰めます 。その上に、キャンプ場に着くまで使わない寝袋や着替えなどを隙間なく詰めていきましょう 。

  2. シートバッグの荷室上、蓋下: フリースやブランケットなど、かさばるけれど重くないモノを挟み込むのに最適なエリアです  

  3. シートバッグ蓋上: ツーリングネットなどを使い、追加で荷物を固定するエリア。ここには銀マットやサンダルなど、「軽くてかさばるモノ」だけを積むのが鉄則です 。

  4. サイドバッグ: レインウェアや温泉セットなど、「すぐ取り出すモノ」を入れておくと便利です 。また、お土産やゴミなど、旅の途中で増える荷物のために「余白」として活用するのがベテランのテクニックです 。

荷崩れは事故のもと!命を守る確実な固定テクニック

どれだけ完璧にパッキングしても、固定が甘ければ全てが台無しです。走行中の荷物落下は、後続車を巻き込む大事故に直結します 。

  • 固定ベルト: 4本(あるいはそれ以上)のベルトを、全体が均等になるように少しずつ、交互に締め上げていくのがコツです 。

  • 余ったベルトの処理: 長く垂れ下がったベルトが、走行中にリアタイヤやチェーンに巻き込まれる事故は後を絶ちません。必ず束ねて確実に固定してください 。

  • サスペンションの沈み込みを考慮: 荷物を固定した後、シート後部を強く押し下げ、サスペンションが最も沈み込んだ状態でも各部に干渉しないかを必ず確認しましょう 。この一手間が、あなたのバイクと命を守ります。

知らないと危険!過積載のルールと罰則

「自由な旅」であるバイクキャンプですが、その自由は交通ルールの上に成り立っています。特に積載に関しては、明確な法律が存在します  

あなたのバイクはどこまでOK?積載制限のウソ・ホント

バイクに積める荷物の量や大きさは、道路交通法によって厳密に定められています 。

  • 重量: 50cc以下は30kgまで。51cc以上は60kgまで 。

  • 高さ: 地上から2.0mまで 。

  • 長さ: 乗車装置または積載装置の前後から0.3m(30cm)まで 。

  • 幅: 乗車装置または積載装置の左右からそれぞれ0.15m(15cm)まで 。

「少しくらいなら大丈夫」という考えは通用しません。法律上は、最大積載量を1kgでも超えれば「過積載」となり、取り締まりの対象となります 。また、荷物でウインカーやナンバープレートが隠れると、別の交通違反に問われる可能性があるので注意しましょう 。

「これさえあれば大丈夫!」バイクキャンパーの厳選・必須ギアリスト

バイクキャンプのギア選びの鉄則は、「軽量・コンパクト」であること 。限られた積載スペースを有効に使うため、賢いギア選びが求められます。

キャンプサイトの三種の神器:テント・寝袋・マット

  • テント: 優先すべきは、①収納サイズ(特に横幅)、②重量、③設営のしやすさです 。収納時の長さが45cm~50cm程度のテント(コールマンのツーリングドーム/STなど)であれば、バイクに横向きに積めて安定します 。前室が広いモデル(デイトナのマエヒロドームASなど)は、雨の日でも快適に過ごせるのでおすすめです 。

  • 寝袋 & マット: 寝袋は、軽量・コンパクトなダウン製と、安価で水濡れに強い化繊製があります 。夏キャンプがメインの初心者なら、扱いやすい化繊製から始めるのが良いでしょう 。マットは地面の凹凸や冷気から体を守る重要アイテム。空気で膨らませるエアマットなどがコンパクトでおすすめです  

俺のキャンプリビング:チェア&テーブル

これらは長旅の疲れを癒し、キャンプ体験を豊かにする「快適性増幅装置」です。

  • チェア: Helinox(ヘリノックス)製品が品質の高さで有名ですが 、近年は手頃で優れた製品も多数あります 。

  • テーブル: SOTOの「フィールドホッパー」やキャプテンスタッグの「アルミロールテーブル」は、その画期的な収納性と安定性でバイクキャンパーから絶大な支持を得ています 。

野外料理の醍醐味:バーナー&クッカー

自然の中で作る温かい食事やコーヒーは格別です。ここでのキーワードは「スタッキング」。調理器具やガス缶などを入れ子状に重ねて収納する技術です 。プリムスやスノーピークなどのメーカーは、バーナーとガス缶がクッカー内にぴったり収まるように設計された「システム」として製品を開発しており、非常に効率的です 。

忘れちゃいけない名脇役たち

  • ランタン: 安全で手軽なLEDタイプが主流です 。

  • レインウェア: 必ずバイク専用品を選びましょう。走行風でのバタつきが少なく、快適性と安全性が全く異なります 。

  • 焚き火台: A4サイズに折りたためるようなコンパクトなモデルが人気です 。

  • 予備の固定具: ツーリングネットやベルトを予備で持っていくと、帰りに荷物が増えた際に重宝します 。

準備はOK?最高の夏休みへ、いざ出発!

さあ、ここまで読み進めたあなたは、もうバイクキャンプの初心者ではありません。安全な積載の知識、法規の理解、そして賢いギア選びの視点を手に入れました。

最後に、最高の初キャンプを成功させるための、とっておきの秘訣を一つ。それは**「本番前のリハーサル」**です。一度、全ての荷物をバイクに積み、近所を走ってみてください 。荷物を積んだ状態でのバイクの挙動の変化を肌で感じ、固定の甘さなど、家では気づかなかった問題点を見つけることができます。この一手間が、旅先でのトラブルを防ぎ、あなたの初めてのバイクキャンプを最高に楽しいものにする、最も確実な方法です。

準備は整いました。最高の夏休みへ、いざ出発!

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