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【安全運転】夏休みの油断が招く… 事故事例から学ぶ、夏のライディング注意点

夏はバイクにとって最高の季節!青い空の下、風を切って走る爽快感は格別です。しかし、この行楽シーズンには、普段とは異なる事故のリスクが潜んでいます。警視庁のデータによると、過去5年間の平均では7月に二輪車事故が多い傾向が見られます 。最新のデータでは5月が最も多い月となっていますが 、いずれにしても、夏特有の環境要因が事故に繋がりやすいことは変わりません。

今回は、夏場のライディングに潜む危険と、それを回避するための具体的な対策について解説します。安全な夏を過ごすために、ぜひ最後までお読みください。

この記事の内容をAIによる音声概要にしています。※漢字の読み間違いなどがあります

1. 夏特有の交通環境と事故リスク

夏場、特に7月は、交通量が増加し、運転者の体調にも影響が出やすい時期です。

交通量の増加と不慣れな運転

夏休みやお盆休みなど、レジャーシーズンに入ると、観光地や帰省先への移動が増え、道路全体の交通量が大幅に増加します 。特に高速道路や観光地周辺の道路は混雑しやすくなり、普段バイクに乗らない人が長距離運転をする機会も増えるため、不慣れな運転による事故のリスクが高まります 。交通量が増えると、車間距離が短くなりがちで、急な割り込みや車線変更も増えるため、常に周囲の状況に注意を払う必要があります

暑さによる集中力低下と熱中症

近年の異常な暑さは、運転者の体調に大きな影響を与えます。熱中症による意識混濁や、強い日差しによる眼精疲労は、判断力や反応速度の低下を招き、運転操作のミスにつながりやすくなります 。車内であっても熱中症は発生し、意識が朦朧として対向車線にはみ出すなどの重大事故を引き起こすケースも報告されています

対策としては、運転開始前の十分な水分補給はもちろん、運転中も水筒やペットボトルなどで定期的に水分を補給することが重要です 。また、長距離走行時は2時間を目安に休憩を取り、疲労を蓄積させないよう心がけましょう

飲酒運転の増加

7月はビアガーデン、バーベキュー、花火大会など、飲酒を伴うイベントが増えるため、飲酒運転が増加する傾向にあります 。アルコールは、運転に必要な運動機能、自制心、動体視力、集中力、認知能力、状況判断能力などを著しく低下させ、交通事故を起こす危険性を飛躍的に高めます

特に飲酒死亡事故では、50歳代が39.3%と最も多く、次いで60~64歳が17.9%を占めています 。また、死亡事故は0時から2時の深夜帯に最も多い傾向が見られます 。飲酒運転は絶対に許されない犯罪です。飲酒時は運転しない、させないを徹底し、タクシーや代行運転、公共交通機関などの代替手段を利用しましょう

悪天候への注意

夏の天気は変わりやすく、急なゲリラ豪雨や台風などによる悪天候は、視界不良や路面の滑りやすさを増し、事故のリスクを大幅に高めます 。特に雨天時は、通常の制動距離が1.5倍以上に延びるため、十分な車間距離の確保と速度の抑制が不可欠です 。突風や横風も二輪車のバランスを崩す原因となるため、悪天候時は運転を控えるか、より慎重な運転を心がけましょう 。

2. 夜間のライディングに潜むリスク

二輪車死傷事故の昼夜別比率は約7対3で昼間の事故が多い傾向にありますが 、夜間には特有の事故類型が増加します。

夜間は「右折時事故」が多く発生する傾向にあります 。特に126cc~400ccの二輪車が被害者となる右折時事故では、夜間の事故が53%を占め、信号機のある場所での発生が64%と高い割合を示しています 。大型二輪車(401cc以上)でも夜間の事故が42%を占めます 。

夜間は視界が悪くなるため、他の車両からの視認性が低下し、距離感や速度の判断が難しくなります。ライダー自身も周囲の状況を把握しにくくなるため、より一層の注意が必要です。

3. 夏のライディングを安全に楽しむための予防策

これらのリスクを踏まえ、安全なライディングのために以下の対策を徹底しましょう。

運転者自身の意識と行動

  • 安全運転講習会への参加: 初心者だけでなく、経験豊富なライダーも定期的に講習会に参加し、運転技術の再確認と最新の安全知識の習得に努めましょう

  • 「自分は見えていないかもしれない」意識: 二輪車は車体が小さく、四輪車の死角に入りやすい特性があります 。常に「自分が見えていないかもしれない」という意識を持ち、他の車両の死角に入らないような自衛的な位置取りを心がけましょう

  • 危険予測と回避: 他車両の動きを予測し、万が一の際に逃げ道を確保する習慣を身につけることが、事故のリスクを大幅に低減します 。 

  • 速度抑制の徹底: 規制速度を厳守し、特に交通量の少ない深夜や早朝の時間帯においても、スピード超過による重大事故が増加する傾向にあるため、一層の速度抑制が必要です 。

  • 交差点での安全確認: 交差点は事故が多発する場所です。特に右折四輪車との衝突事故が多いことから、速度を抑制し、右折車両への注意を怠らないことが重要です 。一時停止の標識や停止線がある場所では、必ず停止して左右の安全確認を徹底しましょう 。青信号であっても、歩行者や自転車の飛び出しを警戒し、発進前に一呼吸置くゆとりを持つことが事故回避に有効です

  • 車間距離の確保と急操作の回避: 追突事故を避けるため、前方車両との車間距離を十分に確保し、急ブレーキや急な進路変更を避けましょう 。雨天時は通常の6~7割程度まで速度を落とし、急ハンドルや急制動を避ける慎重な操作が求められます

  • 視認性の向上: 昼間でもライトの常時点灯や、車線の中央よりやや右側を走行することで、自車の存在を他のドライバーに知らせましょう 。明るい色のウェアやヘルメットを着用することも、ライダーの視認性を360度全方向から高める効果があります

  • 運転中の集中維持: 携帯電話やカーナビの操作、同乗者との会話、脇見など、運転以外の行動は集中力を著しく低下させ、危険を招きます 。これらの操作は必ず安全な場所に停車してから行う習慣を徹底すべきです

車両と装備の準備

  • 日常点検と整備: ロングツーリング前や洗車時など、適切な時期にブレーキ、タイヤ、灯火類、燃料などの日常点検を徹底しましょう 。定期的な点検と整備により、車両の不具合による事故を未然に防ぐことができます

  • 適切な服装とプロテクターの着用: ヘルメットは正しく装着し、あご紐を確実に締めることが必須です。二輪車死亡事故の約半数でヘルメットが脱落している現状があります 。また、万が一の転倒に備え、肌の露出を避け、転倒時の怪我を軽減できる服装(風を通さないウェア)を着用し、可能であればプロテクターを着用することが強く推奨されます 。特に、死亡事故における損傷部位は頭部が約5割、胸・腹部が約4割を占めるため、ヘルメットだけでなく胸部や腹部を保護するプロテクターの着用も極めて重要です

  • ドライブレコーダーの活用: 事故発生時の状況把握や原因究明に役立つドライブレコーダーの装着は、客観的な証拠として有効であり、推奨されます

  • タイヤ選び: 雨天時の走行安全性を高めるため、グリップ力の高い高性能タイヤへの交換も検討すべきです 。

まとめ

夏はバイクにとって最高の季節ですが、同時に事故のリスクが高まる時期でもあります。交通量の増加、暑さによる体調不良、飲酒機会の増加、そして夜間の視認性低下など、夏特有の要因を理解し、適切な対策を講じることが重要です。

「焦らず」「慌てず」「油断せず」 、常に安全運転を心がけ、適切な装備を身につけることで、夏のライディングを心ゆくまで楽しみましょう。

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